株式会社エス・エム・エスキャリア 医療・介護の人材支援

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株式会社エーアールオー 森田本部長 × 担当

日本の在宅医療を支える質の高い看護師・介護士を育てたい。凄腕本部長がエス・エム・エスキャリアに期待すること。


株式会社エーアールオー(愛知県名古屋市)

2008年設立。「高齢者を支える環境づくり」として、高齢者ホーム開発や運営、在宅看護・介護支援、看護・介護スタッフ向けの研修事業等を主軸に事業を展開している。


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株式会社エーアールオー 本部長 森田 記美子(もりた きみこ)様 

宮崎県出身。大阪府の看護学校を卒業し、府内の病院で看護師としてのキャリアをスタート。8年間の勤務の後、結婚を機に愛知県へ転居。結婚後も看護師を続け、岐阜県の病院で副看護部長、愛知県の病院で看護部長を歴任。定年退職後、株式会社エーアールーオー(以下ARO)にパートタイムの看護師として入社。現在は本社に異動し、本部長として採用・研修等の人事機能全般を統括。

 

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株式会社エス・エム・エスキャリア ナースパートナー部 松本 綾子(まつもと あやこ)

2012年入社。名古屋事業所勤務。チームリーダーとして名古屋市エリアの看護師転職支援のチームを束ねている。AROの看護師採用支援にて森田様と出会い、今現在もチームとしてARO担当を続けている。


定年退職後、パートタイム勤務から本部長に。第二の看護人生のはじまり

インタビュアー:看護部長としてご活躍されて退職された後、再就職した理由を教えてください。gazou3

森田様(以下敬称略)最初は再就職するつもりもなく、ゆっくりしようと思っていました。40年以上地元である宮崎を離れて看護師として勤務し続けてきたので、退職後は宮崎に帰って母と過ごす時間を持ちたいと考え、実家の隣に家を建てて、母と一緒に過ごし、数ヶ月は仕事と離れていました。ですが、しばらくすると働くことが恋しくなってきてしまいまして()。そこで、週23日くらいのパートタイムで看護の経験を生かした仕事をしようと思ったんです。

松本:それで当社のナース人材バンクにお声掛けいただいたんですね。

森田:はい。岐阜県の病院で副看護部長として勤務していたとき、7:1の看護基準を獲得するために看護師の増員が急務となり、「ナース人材バンク」を利用させていただきました。そのときお世話になったことが印象的だったので、今度は自分の仕事を紹介してもらおうと思い、ご連絡させていただきました。

松本:ありがとうございます! 再就職先を考えるときに、当社を頼っていただけたことが本当にうれしいです。

森田:23日勤務という希望条件に合う仕事先をご紹介いただいたおかげで、訪問看護師としてAROへ入社することができました。

インタビュアー:パートタイマーとして入社されましたが、今は本部長を務めていらっしゃいますね。

森田:そうなんですよ()。入社当初に感じたことは、改善すべきことがとても多い、ということでした。たとえば、前職の病院では、業務マニュアルを作って継続的に研修を行い、医療事故のリスクヘッジもしっかりできる環境を作ってきました。しかし当社には、業務ひとつひとつを振り返るための基準もなかったので、これはきちんと整備しないといけない、と強く感じました。10年か20年後には私自身が患者になる可能性もあります。そのときに、しっかりとした看護や介護をしてもらいたいじゃないですか。そこで、週23日で勤務しながら、必要な基準を洗い出し、業務マニュアルを作っていきました。

松本:パートタイムで働きながらなんて、本当にすごいです。

森田:気になったら、とことん良くしていきたくなるんです。もう性分ですね。そうしていくうちに、気づいたら本社に異動になっていて、そして本部長になっていました()

松本:看護部長をされていたことを隠してご入社されたと伺いましたが、今はさすがにバレてしまっていますよね()

森田:ふふふ。そうですね。

任せることで育つ」研修が変えた現場の意識

gazou4インタビュアー:本部長になってからは、どんなことに取り組まれたのですか。

森田:本部長の業務は多岐に渡るのですが、就任してすぐに社長に伝えたことは、「今後、在宅医療・介護でも医療技術を必要とする方が増えていくため、訪問看護・介護の質の向上に取り組みたい」ということでした。

松本:向こう数十年、高齢者の方が増え続けることが見えている中、在宅での医療・介護の需要が増えていくことは確実ですし、看護師・介護士の役割の拡大も求められていきますものね。具体的にはどんな事に取り組まれましたか。

森田:力を入れたのは、介護の質の向上のための「介護職員初任者研修」「喀痰吸引研修」事業の立ち上げと仕組み化です。最初は私が講師を務めていましたが、インプットだけではなくアウトプットをすることが現場で働く看護師や介護士のためになると考え、仕組み化したところで現場の職員に講師をお願いするようにしました。最初は「自分がやって良いのだろうか」と戸惑う職員もいましたが、担当を任せると、講師をするためにより勉強するようになりますし、現場でも生かしてくれるようになります。外部の介護士も受け入れて研修を行っているので、「自分たちの運営する施設を見本にしていただくためにも、もっともっと良くしていこう」とさらに高い意欲を持ってくれるようにもなりましたね。現場がとてもイキイキして、今では講師をしたいと手を挙げてくれる職員も増えてきました。

松本:研修事業によって、現場の職員の意識が変わったんですね。

森田:就任当初から、現場職員の意識改革は必要だと感じていましたが、そこに研修事業が上手くはまりました。「自分たちが主役だ」という意識が現場では何より大事だと思うので、研修を任せて本当に良かったと思っています。

自分がいなくても回る組織作りを。現場力と経営視点を併せ持つ管理職の育成

gazou5インタビュアー:その他にも、管理職の育成にも力を入れていらっしゃいますよね。

森田:そうですね。究極、私がいなくても回る組織作りをしなければと思っています。年齢的なこともありますしね()。ひとつ試みたのは、看護師を施設長のポストに就けたことです。看護師は大きな組織で働いた経験を持っている人が多く、看護だけではなく介護の知識にも明るいので、施設長に向いているのではないかと思ったからです。

松本:施設長ということは、管理者として1つの事業所の運営を全て任せるということですよね。看護・介護が分かるだけではなく、経営視点も求められるわけですか。

森田:そうですね。そこにハードルを感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、たとえば私も、最初から経営視点を持っていたわけではありません。副看護部長や看護部長の役割を担うことによって、その視点を求められ、必然的に勉強するようになって身につけてきたものです。「役割を担う」というチャレンジをしてもらう環境を整えることと、役割ごとに必要な知識・スキルを身につけるためのサポートをすることで、段々とステップアップしていってもらえればと考えています。知識・スキルの習得のためのサポートとしては、階層ごとの研修を用意しています。施設長向け研修や、その下の主任向け研修が、その代表的な研修ですね。これらの研修は、今は私自身が行っています。

松本:主任向けの研修も、本部長自ら実施されるのですか。

森田:そうです。自分の思いを若い人たちに伝えたい、ということもありますが、この研修を行うことで、月に一度は、主任たちと直接顔を合わせる機会が得られます。主任たちと話をすることによって、施設長が本部の伝えたい意図を理解して、主任を含めた現場に伝えてくれているかの確認ができるわけです。

松本:なるほど!会社の思いや意図が現場に浸透しているかどうかの確認手段として、研修の機会を利用されていらっしゃるんですね。とても勉強になります。

日本の在宅医療を支える、質の高い看護・介護を提供するために


インタビュアー:研修による人材育成を進める上での課題はありますか。

森田:「研修をして終わり」ではなく、学んだことを生かし続けられるようにしていくことが課題ですね。そのために、3ヵ月後、6ヵ月後、1年後の振り返りの場を設けるようにしています。

日本の在宅医療の考え方が進み、病院での看護は縮小する傾向にあり、今後は、訪問看護・介護がより大きなウェイトを占めるようになっていきます。私たちがしっかりとした看護と介護の知識と技術を持って、適切な事業運営を行い、質を担保しなければならない。だから、研修が単なる学びとして終わるのではなく、学んだことが現場に根付くような仕組みにしなければならないのです。まだまだ考えなくてはならないことはたくさんあります。

松本:本当に考え続けて、走り続けていらっしゃるんですね。やっぱり、パートタイマーでは森田さんは納まらない方なんですよ()

森田:そうですね()。私が色々なことを推進している以上、私が最前線で走り続けなくては誰もついてこないじゃないですか。どの部門長に聞いても、「当社で一番元気なのは森田本部長だよね」とよく言われます()

これからのエス・エム・エスキャリアに求めること

インタビュアー:当社のサービスをご利用いただいて転職されましたが、今は人事責任者として当社のサービスをご利用いただいていますね。

森田:はい。ナース人材バンクさんで看護師の方をご紹介いただいています。 そういえば、この前ご紹介いただいた管理職候補の方には、残念ながらご縁がなかったですね・・・。

松本:そうでしたね・・・。ご紹介前に、御社の人材要件に本当に合致するのか、もう少し踏み込んで見ることができればよかったのですが・・・。

森田:御社が悪いと言っているわけではないですよ。私たちでも、書類と、12回の面接だけで、求める人材かどうかを見極めるというのはとても難易度の高いことですし。

松本:他の事業所様からも、履歴書等の書類と面接だけでは判断できないことが多い、というご意見をいただくことがあります。求職者の方のご経歴、ご希望等を考慮しつつ、事業所様の人材要件と合致する方をご紹介しているのですが、私たちにも見えていない部分が多くある、ということに力不足を感じます。

森田:お互い試行錯誤ですよね。人を見極めることが難しいからこそ、一緒に協力して採用をしていきたいと思っています。あの候補者の方にはご縁がありませんでしたが、そういう時もあります。今までの実績もありますし、自分自身が転職でお世話になったこともありますから、今後も御社に期待していますよ。

松本:ありがとうございます。病院勤務の看護師は、もともと少ない枠である部長・副部長にならないと、経営視点、組織運営の能力を身につける機会が少ないので、御社の管理職候補募集はとても貴重だと思います。

森田:そうですね。訪問看護事業は、自分たちの施設の売上を管理し、利益を出せるかどうかをしっかりと考えていかなくてはなりません。素養のある方にはしっかり教育体制を敷いてバックアップしていきますので、是非熱意を持って応募してきてほしいと思っています。

松本:森田さんがおっしゃるとおり、在宅医療を国が進めていくに当たり、看護師の働き方は変わってくると思います。訪問看護を担える人材を増やしていくためにも、経営や施設運営能力を高めていく仕組みづくりの支援や、訪問看護師という働き方の啓蒙活動が、今後当社に求められるのかもしれませんね。

森田:そうですね。それは是非お願いしたいところです。

松本:当社では、看護学生の皆さんの就職活動の支援もしているのですが、「訪問看護をやりたい」と考えている学生は増えています。看護師の働き方の多様化に合わせ、認定看護師や専門看護師を目指すスペシャリストだけではなく、在宅医療で活躍する訪問看護師のキャリア支援をしていくことが必要ですね。

森田:次世代の医療に携わる方々に対して、私も御社も、互いの強みを生かして貢献していきたいですね。

松本:はい。おっしゃるとおりですね。私もがんばります。


インタビューを終えて

私たちキャリアパートナーは、求職者の方にマッチする就業先を見つけるために、表面的な条件のマッチングに留まらず、その方の本質的なニーズ、生活背景を捉えることに重きを置いて活動をしています。今回森田様のお話を伺って、求職者の方の理解だけでなく、働き先である事業所様の求める人物像、今後の事業の方向性などへのより深い理解も必要だと痛感しました。求職者の方にとっても事業所様にとってもwin-winとなる提案をできるよう、双方の理解をどう高めて行くか、改めて考えたいと思いました。

森田様には、この記事には収まり切らないくらい、たくさんのエピソードと仕事への思いを聞かせていただきました。どうすれば現場力が上がり、どうすればそれを経営につなげることができるのか。経営陣の思いをどうすれば現場に正しく伝えることができるのか・・・。現場目線も踏まえながら、経営視点で常に考え行動している森田様との対談は、同じ働く女性として、また、チームを任されている管理職として、私個人にとっても、今の自分自身の仕事を見つめ直す貴重な機会となりました。

インタビュアー・対談者:ナースパートナー部 松本 綾子
記事編集:法人営業部 林 真弘