株式会社エス・エム・エスキャリア 医療・介護の人材支援

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言語聴覚士(ST) 求職者様

求人がない、という厚い壁。「転職したい」「その願いを叶えたい」――お互いの熱い思いが現状を打破した


堀池 正太(ほりいけ しょうた)様 (三重県在住/言語聴覚士)

日本福祉大学社会福祉学部卒業、名古屋文化学園医療福祉専門学校言語聴覚科卒業。2006年、新卒で名古屋市内の急性期病院へ入職。言語聴覚士(ST)としてリハビリテーションに従事し、学会活動にも参加。2017年9月、同市内の急性期病院へ転職。

株式会社エス・エム・エスキャリア コメディカルパートナー部 リハ人材紹介グループ
乾 友香(いぬい ゆか)

2015年入社。PT/OT人材バンクにて、リハビリ職の方々の就職・転職支援を担当。


入院したその日から、患者さまの変化に関わりたい。 急性期のSTを志望して転職を決意

インタビュアー : どのようなきっかけで転職を考えるようになったのでしょうか。

堀池様(以下敬称略)一番は、やはり急性期で経験を積みたいということですね。STの仕事は、日々変化していく患者さまの症状を的確に捉えて、その都度対策を練っていくものなんです。たとえば聴覚に障害があった患者さまが、少し聞こえるようになってきたら単語でしゃべってもらう。単語が出るようになったら、もっと多くの言葉を引き出すようにする。嚥下が困難だった患者さまがトロトロの食べ物を飲み込めるようになったら、少しずつ固形のものに変えていく。そういった変化に立ち会えるのが、自分にとってこの仕事のやりがいなんです。

乾:一般的には、STのお仕事と急性期って、パッと結びつかないですよね。慢性期で、長く患者さまとお付き合いしていくイメージが強いと思います。

堀池:そうですね。昔は、脳梗塞になって入院したら、一週間程度は安静にしてそれからリハビリへ、という流れが普通でしたからね。今は、もう入院したその日にリハビリに伺わせてもらって、治療や他のリハビリとの兼ね合いを考え、他職種と協働しながら患者さまにとってベストな方法を模索していくのが主流になっています。

乾:現在のお勤め先も急性期ではありますよね。

堀池:はい。急性期ではありますが、病院の特性上、どうしても患者さまの層に偏りがあるのと、比較的長く入院されている慢性期の患者さまが多いのが実情です。もっと幅広い患者さまを見させていただきたい、急性期の患者さまをもっと経験したい、という思いから、転職を考えるようになりました。

PT/OT人材バンクと他社との違いは、きめ細かく手厚いサポート。親身になって一緒に考えてくれた

インタビュアー : 当社にご登録をいただいたきっかけは何だったのでしょうか。

堀池:今回が初めての転職活動でしたが、これまでにも辞めようかと考えたことが何度かあったので、いくつかの紹介会社に登録していました。比べるのはどうかと思いますが、乾さんは他社さんの担当者よりもはるかに親身に接してくださいました。紹介や面接のアドバイスだけでなく、内定後の退職相談などのサポートも手厚くしていただいて、心から満足しています。

乾:ありがとうございます。そう言っていただけるととてもうれしいです。具体的にどんなところが他社さんと違っていたのでしょうか。

堀池:他社さんの場合は、まずその会社さんが構える事務所まで足を運ぶ必要がありました。そこで一対一の面談をしたのですが、「急性期志望です」って言った瞬間に「(求人は)ないですよ」っていう対応でした。もちろん乾さんからも、最初はやっぱりそう言われたんです。

乾:はい、そうでした。本当になくて・・・。急性期のSTは、求人自体はあっても新卒のみ、というところが多く、病院様から中途のSTを紹介してほしいという依頼がないんです。

堀池:STは、ある意味クセが強い人が多い職種なので、経験がありすぎるとマイナスに評価されることもあるみたいです。他社さんからの紹介も、「急性期」という自分の希望に合わないところが多かったですね。ただ乾さんの場合は、「ないですよ」と言いながらも、親身になって一緒に考えてくれていることが伝わりました。その点が、他社さんと大きく違っていたところです。

乾:他社さんの紹介で面接に行かれた病院様はありましたか。

堀池:いえ。事務所で一度面談して、職務経歴書と履歴書を提出しただけです。添削してくれるのかなと思っていたのですが、「いいと思います」ってそのまま返されました。

乾:あっ、それは内容がすばらしかったからですよ。私も職務経歴書と履歴書を拝見しましたが、レベルが高すぎて指摘するポイントがなかったですもん(笑)。

堀池:いやいやそんな(笑)。

乾:一番の課題は、とにかく求人がない、ということでした。堀池様にご登録いただいたのは2014年7月でしたので、そこから約3年。本当に長いお付き合いになりましたね。

堀池:そうでしたね。

乾:それだけ長いお付き合いになると、「転職したい」という強い気持ちがこちらにもずっしりと伝わってくるんです。なんとか希望を叶えたいという思いで、求人もたくさん見ていただきましたが、やっぱりどうしても急性期の求人がない。そこが最大の壁で、ご紹介できるまでにかなり長い時間を要してしまいました。

社内のネットワークで最新情報をキャッチ。STでのお取引がない病院に猛アプローチ

インタビュアー : そんな中、どうやって堀池様のご希望に合う求人を見つけたのですか。

乾:社内の別の部署から、今後事業拡大のために急性期のスタッフを増員する予定の病院様がある、という情報をキャッチしたんです。「これは堀池様しかいない!」と。その時点では、当社とST募集でのお取引がない病院様だったのですが、社内のネットワークを駆使し、「いい方がいらっしゃるので、ぜひ会っていただきたい!」と猛アタックしました。

堀池:そんな経緯があったんですね。個人的には、面接に行ってもきっと良い結果は出ないだろうと思っていたんです。転職活動期間が思ったよりも長くなり、自信を失っていました。そういう不安な部分を乾さんはすごく支えてくださって、頼りにさせていただきました。私は朝が早く夜も遅いし、お昼休みも定時ではとれないため、なかなか乾さんからの電話に出られなかったのですが、メール連絡などいろいろと工夫してくださって感謝しています。扱いにくい求職者だっただろうなぁと反省しきりです(笑)。

乾:そんなことありませんよ!私たちが長いお付き合いをさせていただける求職者様は、それほど多くないんです。全員が全員、コンタクトを取り続けてくださるわけではありませんので、マメにお問い合せをくださる求職者様というのは、私たちにとって本当に大切な存在です。だから、なんとしても堀池様の希望を叶えて、期待に応えたいという一心でした。

インタビュアー : その熱い思いはどこから来るんですか。

乾:期待されたら全力で応えたい、とりあえずなんとかやってみよう、という気持ちがもともと強い方なのかもしれません。会社の総会で、全社員の前でモノマネをやってくれと言われても、全力でやっちゃったりします(笑)。

堀池:えっ!それは私も見たかったですね(笑)。

希望していた急性期に入職が決定。新たな分野や地域貢献へ、広がる可能性

インタビュアー :実際に病院へ面接に行かれてみていかがでしたか。

堀池:今以上に急性期に力を入れていきたいというお話や、在宅医療・老人保健施設など、地域に目を向けた医療サービスを展開している点にも興味を持ちました。

乾:地域に根ざした医療を提供しながら、新しい領域にも積極的に取り組んでいらっしゃるのが転職先の病院様の特徴ですね。

堀池:そうですね。嚥下について新生児や幼少期から介入するなど、新たな分野も考えているというお話を伺って、幅広い患者さまに対応したいという自分自身の希望と合致していたので、ぜひこちらで働きたいと思いました。

乾:病院のスタッフの方々の印象はいかがでしたか。ご入職前なので、入ってみないと分からない部分も多いとは思いますけれど。

堀池:みなさんすごくテキパキ動いていらっしゃるという印象でした。でも単に慌しいわけではなく、患者さまやご家族には非常に丁寧に対応されている。ただのんびりしているわけではなく、かといって流れ作業的に仕事をしているわけでもない。そこに魅力を感じました。せっかくご縁をいただけたので、期待を裏切らないように私も頑張りたいです。

乾:急性期のSTという、希望されていたポジションでご就業いただけることが、私も本当にうれしいです。

堀池:入院直後の患者さまに対応するのが急性期のSTの仕事ですが、その後、リハビリ専門病院や施設などに移られたときに、患者さまが栄養摂取やコミュニケーションで困らないよう、先のことまで見越した橋渡しができるSTになりたいと考えています。

乾:すばらしいですね。

堀池:回復期の病院や施設が受け入れてくれるからこそ、急性期の仕事が成立するので、地域連携も含めて、地域の皆さまに精一杯貢献していきたいです。

STを目指した初心を忘れず、現場の仕事だけでなく研究にも積極的に取り組みたい

インタビュアー : 今後目指して行きたいものなどはありますか。

堀池:STは、一般的に離職率が高い職種と言われています。それは収入の面もありますが、患者さまがなかなか良くならなかったり、コミュニケーションがとれなかったりして、自分が何のために、誰のためにこの仕事をしているのか分からなくなる、という側面があると思うんです。

乾:難しいですね。そんな中、堀池様が長くSTを続けてこられたのはなぜですか。

堀池:どうすればコミュニケーションをとれるのか試行錯誤する中で、全然笑わなかった患者さまがニコッとしてくださったり、まったくしゃべらなかった患者さまがポツッと一言「おはよう」「こんにちは」って言ってくださったりすることがあるんです。

乾:それはすごくうれしいですね。

堀池:うれしいし、どんどん楽しくなってくる。自分がSTを目指したもともとの理由は、患者さまの回復に関わりたいからです。長く仕事を続けていると、最初の志をつい見失いがちになりますが、初心に帰ることは大切だと思います。

乾:現場で患者さまの回復に貢献するだけでなく、学会にも積極的に参加されているんですよね。

堀池:嚥下障害の評価ひとつとっても、項目が20もあって看護師さんの負担になっているんです。それを6項目ぐらいに絞って、医学的根拠に基づいた簡易的な評価ができないかという研究をしています。他には、認知症患者さまの自動車運転についての研究などですね。

乾:すごい、認知症にまで研究の範囲が広がっているんですか。

堀池:最近、高齢者の自動車事故のニュースが多いじゃないですか。そういったところにも貢献できないかなと。「運転に自信がある」という患者さまの自尊心を損なわないように、心理的な面をサポートしながら関わっていく方法を研究しているところです。

乾:その研究が成功したら、助かる方がたくさんいらっしゃいますね。移動には自動車運転が必須という地域も、まだまだ多いですから。

堀池:形になって発表できるかどうかは、まだ分からない段階なんですけど。自分の研究によって何かお手伝いができたらと思っています。

乾:目の前の患者さま、地域の皆さま、そしてさらに幅広い方々への貢献を考えていらっしゃる…。改めて、堀池様の転職に関わることができて光栄に思います。ますますのご活躍を祈っています!


インタビュアーより一言

インタビューでまず印象に残ったのは、堀池様が非常に高い向学心をお持ちで、STの仕事に誇りを持って従事されていることでした。急性期のSTとして「自らのスキルを高めたい」「もっと幅広く経験を積みたい」という思いが強く伝わりました。一方で、今回堀池様がご入職予定の病院様は、急性期を拡充する経営方針を推進し始めていました。STでのお取引がない中で乾がアプローチをしたことで入職が実現したこのマッチングは、人材紹介サービスの介在価値を体現する事例の1つだと思います。求職者様が実現できるキャリアの幅が広がり、病院様が地域の患者様に提供できる価値も広がる――こうして当社が地域の医療サービスの質向上に間接的にでも貢献できるのは、とてもうれしいことだと改めて感じました。